【風が発生する仕組み】ドローンは風の影響を受けやすい?【まとめ】
こんばんは!クアッド・スターズのリョウタです。
ドローンは空中を飛ぶ飛行体です。
近年のドローンは各種センサー類のすぐれた機能を搭載し、自ら姿勢を保ち安定した飛行が可能です。
しかし、
常に不安定な状態で空中を飛ぶドローンは、風の影響を受けやすくダイレクトに挙動に影響してしまいます。強風や天候の急変には十分な注意が必要です。
もう少しだけ、ドローンと風について見ていきましょう(^^)
ドローンは風の影響を受けやすい【要注意!】
ドローンは風の影響を受けやすく、特に強風や気流の変化に対して気をつけて飛ばす必要があります。
『ドローンは空中を飛ぶ飛行体』です。
空中を飛ぶ飛行体ということは、常に不安定な状況に置かれています。
ただでさえ、不安定な状況な状況での風は大敵!
よって風はドローンの挙動にダイレクトに影響するので要注意です。
墜落や衝突を未然に防ぐ意味でも、風が発生する仕組みを理解してドローンを安全に飛ばしましょう。
まずは、風が発生する仕組みを見ていきましょう。
風は空気が温められると発生する
風は空気が温められると発生します。
「空気が温められるとは?」
風が発生する要因としては『熱』が関係しています。
『熱』とは、つまり『太陽の熱エネルギー』のこと。
まず、太陽の熱エネルギーは地面や海面を温めます。
温められた地面や海面を通じて、次に空気が暖められます。
温められた空気は次第に軽くなり、軽くなった空気は上空へと上がる空気の流れに変化します。
この上空へと上がる空気の流れで上昇気流が発生する、つまり風が発生する仕組みの1つです。
低気圧と高気圧の関係性【気圧差】
次は、誰でも1度は耳にした事のある、低気圧と高気圧の関係性についても見ていきましょう。
低気圧と高気圧の関係性により気圧差が生じます。
前述したとおり、太陽の熱エネルギーにより地面や海面が温められ、次に空気が温められると空気は次第に軽くなります。軽くなった空気は上空へと上がる空気の流れで上昇気流が発生します。
地表面が温かい環境で、上昇気流が生じている地上付近や海面付近では、分子密度が低くなり低気圧へと変化します。
逆に地表面の温度が低い環境の場合では空気は圧縮します。すると分子密度は高くなり高気圧へと変化します。
✅ 地上付近の温度が高い環境では低気圧へ
✅ 地上付近の温度が低い環境では高気圧へ
空気には一定の気圧に戻ろうとする作用があり、気圧の高い方から低い方へと空気の流れ(気圧差)の影響により風が発生します。
低気圧と高気圧の関係性による気圧差は風が発生する2つ目の仕組みです。
【低気圧の地上付近は風が吹き込む】
【高気圧の地上付近は風が吹き出す】
空気は気圧が高い方から低い方へと流れて風が発生します。
風が強くなる危険な場所とは?
ドローンを安全に飛ばすためには風の強さを判断する必要があります。地上付近では風が弱いと判断しても、高度を上げた上空付近では風が思った以上に強い危険な場所もあります。
身近なビル風の種類を解説します。
ビル風の場合、風の強まる場所・風の弱まる場所・風の乱れる場所があります。
【風の強まる場所】
✅ 風の当たる前面の屋上付近
✅ ビルの側面
✅ ビルから一定距離おいた場所
【風の弱まる場所】
✅ ビルの風下(背面)
✅ ビルの両側(近傍)
✅ 屋上のすぐ近く
【風が乱れる場所】
✅ ビルの両側から背後
風がもっとも強くなる場所は、ビルの前面に当たる屋上付近です。
ビルに当たった直後(近傍付近)からビルの風下(背後)では弱まり、ビルから一定距離おいた場所で再び強まる。
さらに、風の当たるビルの両側から背後にかけては気流の乱れが発生しています。
近くに建物や樹木がある場所でドローンを飛ばす場合は、想定外の強風と気流の乱れが原因でドローンの挙動に影響を及ぼす可能性もあるので飛行には要注意ですね。
では、なぜ風は強くなったり弱くなったりと条件が変化するのか?
これは『摩擦の力』が影響しています。
地上付近では建物などが風を遮る(摩擦多い)➡風は徐々に弱まる
屋上付近では遮るものが少ない(摩擦少ない)➡風が強い
風を遮る建物などが多い地上付近では風は弱くなる傾向です。これに比べ、高度の高い屋上付近などでは風を遮る障害物が少なく、摩擦の影響は少なくて風が強くなります。
【高度を上げるときの注意点!】
地上付近では風が弱いと判断しても、高度を上げていくと突然の強風で挙動が不安定になり姿勢が乱れるかもしれない!?細心の注意が必要です。
気象情報を事前に把握する2つの方法
気象情報を事前に把握する2つの方法を紹介していきます。
ドローンを安全に飛ばすには天候の把握も重要です。気象情報を事前に把握しておくことで『安全な飛行』に役立てることができます。
気象情報の入手先はテレビ・ラジオ・気象庁のWEBサイトからの情報収集が役立ちます。
詳しく見ていきましょう。
【テレビやラジオ】
天気に関する情報収集と言えば、一番身近な入手先はテレビやラジオです。
1週間ほど先までの天気予報を参考にしながら、天候の状況がいつごろ天候が悪くなるのか?を把握しドローンのフライト計画を立てていきましょう。
ドローンは非常にデリケートな精密機器です。
よって雨による水濡れは厳禁です。
ついでに、気圧の変化(低気圧や高気圧)も把握しておくと、ドローンが受ける風の影響も考慮できますので準備は万全です。
【気象庁のWEBサイト/アメダス】
アメダス(AMeDAS:Automated Meteorological Data Acquisition System)とは気象庁が日本全国、約1,300ヵ所に設置している無人観測所で気象災害の防止と軽減を担っています。
日本語では『地域気象観測システム』と言います。
雨・風・雪などの気象状況を時間的、地域的に細かく監視することが目的で、降水量・風向き・風速・気温・日照時間の観測を自動的に行います。
風速は0.1m/sの単位で前10分間の平均値を算出し、風向きは16方位で前10分間の平均値が算出され、最新の更新データが1時間ごとに1回の頻度で公開されます。
気象庁のWEBサイトにて、飛行する地点のアメダスを確認し気象情報を把握できます。
ドローンを飛ばす前に風の強さを確認する【飛行場所で計測】
ドローンを飛ばす前に風の強さと風向き確認し、安全に飛ばせるかを判断しましょう。
飛行場所で手軽に風の強さと風向きを計測する方法は、周囲の樹木の揺れ具合や雲の移動する速さを目視で確認することで、ある程度の判断は可能です。
そして、風の強さをカンタンに計測できるオススメのアイテム!
ハンディタイプの風速計を1つ所持していると便利です。
ドローンの機体によって耐風性能は異なりますが、地上風速5m/s未満が安全に飛ばせる目安です。
しかし、地上付近の風速5m/s未満と計測されても、上空では風速10m/s以上と風速が異なる場合もありますので要注意です。
地上風速が3~5m/sの目安としては、
「旗が開く程度」、「細い小枝が絶えず揺れている」
地上風速が5m/s以上になると、
「砂埃が立つ」
風速5m/s以上の場合、ドローンを飛ばすには適しませんので大変キケン!
強い風や天候の変化を察知したら、いつでも着陸できるようにドローンを飛ばしましょう。
ドローンパイロットの必需品とも言える、ハンディタイプの風速計はAmazonなどの通販サイトにて手に入ります。価格も数千円~で購入できます。
天候の変化には敏感になろう
テレビ・ラジオ・アメダスなどを活用し、天気の情報収集を万全に準備をしていても急に天候が崩れ、降水・強風・落雷が発生する可能性は十分考えられます。
相手は自然です。
急な天候変動のリスクは避けられませんが、常に天候の変化には敏感になりましょう。
例としては、
天気予報では『おおむね晴れ』となっていても、降水確率が高い場合は天候が急変する可能性ありです。
『大気の状態が不安定』、『上空付近の寒気の影響』
などは落雷や突風に変動する可能性がありますので要注意です。
そこで、気象庁の『高解像降水ナウキャスト』は更新頻度のレスポンスが良く、非常に細かい範囲で天候状況を確認できます。
僕がいちばん伝えたいこと【まとめ】
ドローンは空中を飛ぶ飛行体です。
ドローンの機体によって耐風性能は異なりますが、常に不安定な状態で空中を飛んでいます。
よって、風は最大の敵と言っても過言ではなく、風の強さや天候の状況には気おつけて、より安全なフライトを心掛けましょう。
まずは、
ドローンを飛行させる現地にて目視で周囲の安全確認。
そして、風速計で風の強さを計測(風速5m/s以上なら飛ばさない)
飛行中も風向きや樹木の枝の揺れ具合にも要注意です。
風の強さは地上付近と比べ、高度を上げた上空とでは異なります。周辺の樹木や建物より高度を上げた場合は風が強く、気流が乱れているとドローンの制御ができなくなり、コントロール不能になる場合もあります。
風と天候の予測はドローンパイロットにとって必須スキルです。
事前に天気予報で情報収集をし、現地でも天候の変化に敏感になり「天候が急変し悪化しそう」と判断したら即中断できるくらいの余裕が大切です。
では(^^)